■おしらせ■ 「たまゆら」火災事件犠牲者を悼む都民の集い


「たまゆら」火災事件犠牲者を悼む都民の集いのお知らせ



■ 「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」より詳細の案内文。
   各自でダウンロード願います↓

 
☆ 「たまゆら」火災事件犠牲者を悼む都民の集いのお知らせ  ( Word )
 

【呼びかけ人(五十音順)】
阿木幸男(成蹊大学非常勤講師)
稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事)
中下大樹(寺ネット・サンガ代表、浄土真宗僧侶)
平久江剛志(明治大学死生学研究所研究員、志聖会代表)
本田徹(医師)

【お問い合わせ】
メール : tamayura0319@gmail.com

【追悼集会・現地法要の予定】
火災から1ヶ月にあたる4月19日(日)に東京で追悼集会を開催し、5月6日(水)に現地にて四十九日法要を予定しています。

◎ 当日現地まで来られない方も、それぞれの場所で同日正午より1分間の黙祷を捧げることを呼びかけます。


◇ 4月19日(日) 「たまゆら」火災事件犠牲者を悼む都民の集い ◇

■  時間
 15時開場、15時30分開式、17時終了予定
■  場所
 観音寺・講堂にて(東京都新宿区高田馬場3-37-26)
 追悼法要をおこなった後、各参加者がそれぞれの立場で発言をおこないます

◎ 参加ご希望の方は当日、直接会場にお越しください。敷地内に駐車スペースはありませんので、あらかじめご了承ください。

◇ 5月6日(水)正午より 現地にて四十九日法要 ◇

■  11時、渋川駅前集合後、車で移動します。車での送迎を希望される方は、4月27日(月)までに下記にメールをお送りください。tamayura0319@gmail.com



< 呼びかけ文 >

 3月19日夜、群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で火災が発生し、10人の方の尊い命が奪われました。私たちはこの事件に胸を痛める東京都民の集まりです。
 火災の後、「たまゆら」が老人福祉法上の「有料老人ホーム」であるにもかかわらず、群馬県に届出をしていなかったこと、施設にはスプリンクラーや自動火災報知器はなく、入所者16人が3棟に分散して生活していたにもかかわらず火災当日は当直職員が1人しかいなかったこと、建築基準法に基づく県への申請をせずに増改築を繰り返していたこと、居室と食堂をつなぐ引き戸につっかい棒をしていたことなどが次々と判明し、この施設が入所者の安全性を無視して、コスト削減を図った「貧困ビジネス」である疑いが強まりました。
 また、「たまゆら」に入所していた22名のうち15名が東京都墨田区からの紹介で入所しており、そのうち6名の方が火災で亡くなられました。墨田区の紹介で入所した生活保護受給者は入所後も渋川市に移管せず、墨田区で生活保護を受け続けていたことも判明しました。墨田区福祉事務所の担当者はテレビカメラの前で、高齢者を受け入れてくれる施設が圧倒的に不足する中で、都外の無届施設への入所をやむをえず行なっていたと苦渋の表情で語りました。
 なぜこのような悲劇が起こってしまったのでしょうか。
 まず第一には、「たまゆら」を経営するNPO法人彩経会の責任があります。現在、群馬県警が業務上過失致死傷容疑で立件する方針だと伝えられており、私たちはこの動きを注視し、事件の全容が解明された上で責任の所在が明らかになることを望んでいます。
 第二には行政機関の責任があります。新聞報道によると、東京23区から「たまゆら」と類似の無届施設に入所している生活保護受給者は690人(東京新聞3月24日付け夕刊)、障害者施設や特別養護老人ホームなども加えた都外の施設に暮らす生活保護受給者は累計で1568人にのぼる(読売新聞3月26日付け朝刊)と言います。今回の事件の背景にはケースワーカーの不足など生活保護行政の抱える問題と同時に、東京都内における公的な高齢者施設が圧倒的に不足している現実があります。国や東京都が公的な施設の整備を怠ってきた責任は大きいと言えます。
 こうしたことを踏まえた上で、私たちは私たち都民にも責任があると感じています。低所得で身寄りのない高齢者が、防火設備も職員体制も整っていない遠隔地の劣悪な施設に送られてしまう。戦後の激動の時代を生き抜いてきたお年寄りが「住み慣れた地域で余生を過ごしたい」と願ったとしても、そうしたささやかな願いさえも実現できないような街に東京はなってしまっています。それは経済優先、効率優先で、人と人とのつながりや暮らしの営みを軽視してきた私たちの社会、私たちの生き方そのものを象徴していると私たちは感じています。

 私たちは今回の火災で犠牲になった方々に心より哀悼の意を捧げたいと思います。そして、今回の悲劇を引き起こした社会のありようを見据え、一人ひとりが尊重される世の中にしていきたいと願っています。
 奪われてしまった命は戻ってはきません。炎に包まれて亡くなられた方々の無念に想いを寄せようとしても、その想いは届かないのかもしれません。
 それでも、この社会を作った一人ひとりとして、私たちは追悼の想いを胸に刻みたいと思います。
 多くの方々、とりわけ東京都民の皆さんに私たちの取り組みへの参加を呼びかけます。

2009年4月6日
「たまゆら」火災事件犠牲者を悼む都民の集い 呼びかけ人一同