●主張・活動の紹介

 

真に国民の期待に応える老人福祉の構築を
=05年の介護保険制度全面的見直しを控えて=

21・老福連の政策提言

もくじ|5    

5・むすびにかえて
  社会福祉法人の純粋性、アイデンティティを守り、
  国民の期待に応えるために

 90年代後半の児童福祉法改定、2000年の介護保険制度施行に続き、2003年には障害福祉が支援費支給方式への移行となりました。かつての措置制度から契約制度へ移行することにより、公的責任や公的福祉の概念とその実際が大きく後退することとなっています。
 構造改革の波が押し寄せ、社会が大きく変化、変貌しようとしています。社会福祉基礎構造改革は、国民の連帯、受益者負担、規制緩和、医療と福祉の一元化等を中心的な柱として、国民には「痛みを伴い」ながら強行されています。そのような中で、社会福祉を担う社会福祉法人も、その対応に追われていますが、見失ってはならないものがあります。
それは、非営利団体として、又、公益法人としての社会福祉法人の純粋性や、アイデンティティを守り、国民の期待に応えた福祉の発展を築くことです。そのアイデンティティを簡潔に列挙すると次のようなものが挙げられます。
 @ 公的福祉の具現者、推進者として、また、セーフテイネットの受け皿としての役割を果たすとともに、福祉の増進を拓いてきたこと
 A ニーズに応えた質の高い援助と専門性、先駆性をもって福祉の発展を築いてきたことまた、それを保障する職員の資質向上に努めてきたこと
 B そもそも非営利団体であること
 C 公益性、公共性、公平性を旨として事業展開を行ってきたこと
 D 民主的運営と透明性(公開性)を貫くこと
 E 地域福祉の構築をめざし、福祉社会の実現とネットワークの視点を失うことなく、その中心的な役割をはたしてきたこと          等々です。

 今、あらためて原点に立ち戻って考え、見つめ直してみましょう。

 福祉に関係する先人や私たちは、何を考え、何を求めて福祉の仕事に従事したのでしょうか。
 気高き誇り、注いだ情熱は誰のため、何のため、だったのでしょうか。
 厳しい時代にこそ、原点に立ち返り、行先を見失わず、誤ることなく、真の社会福祉、社会保障を確立することにより、全ての国民が豊かに暮すことのできる長寿社会を築きましょう。

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